鎖国時代に唯一開かれた貿易拠点・出島を訪れる旅

長崎出島

出島は徳川幕府が鎖国政策のひとつとして長崎の有力町人25名に命じ、寛永11年(1634年)に築造を開始。長崎奉行所(現長崎市江戸町)の前の海浜の埋立工事は2年後、寛永13年(1636年)に完成。開国まで218年間、面積1万5,000平方メートルの扇形の人工島は、日本唯一の西欧貿易の窓口として活躍しました。昭和26年(1951年)から開始された出島復元工事は現在も拡大中。今回は鎖国時代の面影を求めて出島を訪れてみましょう。

< 目次 >

  1. 出島散策のスタートは国指定史跡「出島和蘭商館跡」の水門から
  2. 当時にタイムスリップ! 門番や役人が守る出島の街並み
  3. 船長や商館員の暮らしぶりが伝わる一番船船頭部屋へ
  4. 西洋文化にふれた後は長崎出島ワーフで休憩を

出島散策のスタートは国指定史跡「出島和蘭商館跡」の水門から

出島和蘭商館跡・西側水門ゲート
出島和蘭商館跡・西側水門ゲート

西洋と日本の文化・学術・貿易品が出入りしたうえで、とても象徴的なのがこの水門。19世紀当初は海に面していたことから水門と呼ばれていたそうです。2つある入口の南側は輸入用、北側は輸出用に使用。鎖国時代は49棟もの建物があり、現在そのうちの25棟を復元させる作業が行なわれています。

出島・鎖国期の復元建物群
出島・鎖国期の復元建物群

現在の出島は文政3年(1820年)頃の鎖国期にあった復元建物のエリアと、幕末の万延元年から(1860年代)の復元建物、そして明治期の洋風建物に分かれています。水門の西側ゲートから入ると鎖国期にあたり、徐々に年代を遡って街並みを楽しめる構図。オランダ商館長(カピタン)が使っていたカピタン部屋など、江戸時代の西洋文化にふれることができます。

当時にタイムスリップ! 門番や役人が守る出島の街並み

筆者蘭人部屋
筆者蘭人部屋

当時の出島をそのままに楽しんで欲しいと、敷地内には当時の扮装をした人達を配置しているのも面白い試みです。「筆者蘭人部屋」は、出島が貿易や文化交流を通じて世界と日本を繋いでいたことを分かりやすく紹介している場所。まず最初に訪れておきたい場所でもあります。

三番蔵
三番蔵

オランダ商館員の住居や貿易品を保管する蔵が建ち並ぶ出島は、日本伝統の木造建築と窓枠にオランダならではのグリーン使いが融合したハイカラさが魅力。砂糖をはじめとする、さまざまな輸入品が収められていた蔵が「三番蔵」。当時の倉庫の様子が細部にいたるまで、見事に再現されています。

船長や商館員の暮らしぶりが伝わる一番船船頭部屋へ

一番船船頭部屋・室内
一番船船頭部屋・室内

オランダ船(一番船)船長や商館員の居宅として使用されていた建物の「一番船船頭部屋」。1階の土間は、木炭と砂糖の不良品や秤を置く倉庫として使用されていたのをそのままに。2階は船長や商館員が滞在していた部屋を再現。商館員が使ったテーブルや書物、バタビア(現ジャカルタ)からの家具などを展示しています。

一番船船頭部屋・寝室
一番船船頭部屋・寝室

船長の寝室にはベッドが置かれ、虫除けのカヤが吊るされています。モダンなデザインの屏風がアクセントになっている、ほかでは見られないお洒落な暮らしぶりが偲ばれます。出島の建物はこの建物のように、1階部分は土間にし、生活空間は2階に置いているのが特徴です。

時鐘
時鐘

朝、積載品が船から降ろされる時と、正午の昼食時に撞いたのが、この時鐘。紐を引いて鳴らす西洋式の鐘で、現在復元されているものは18世紀のオランダで実際に使用していたものだそう。「メイザン」の名で、当時の書物にはよく見られますが、設置されていた場所は建物の建て替えにより、決まった場所がなかったようです。

フレンドシップメモリー
フレンドシップメモリー

敷地内の一角には昭和45年(1970年)に大阪で開催された日本万博博覧会で展示されていた「フレンドシップメモリー」を見ることができます。この彫刻は日本とポルトガルの交流に尽力した6人の人物が題材の、真鍮鋳物製。博覧会が終了した後、ポルトガル政府から長崎県に寄贈されていたものです。

西洋文化にふれた後は長崎出島ワーフで休憩を

出島テラスから見える景色
出島テラスから見える景色

長崎港に面する2階建ての複合施設が「長崎出島ワーフ」。ウッドデッキの広場に沿って、長崎港で水揚げされた海鮮を使った料理自慢の店、コーヒーの名店など約20軒が立ち並ぶ憩いの場所。天気がよければおすすめなのが出島テラスでの食事。潮風に吹かれながら、行き交う船を眺めつつ港町で過ごす時間を楽しみます。

出島ライス
出島ライス

出島テラスの人気メニューのひとつが、長崎の名物をワンプレートにした「出島ライス」。手作りハンバーグとトルコライス、パスタにサラダと盛りだくさん。隣では仕事終わりの会社員達がビール片手に楽しい時間を過ごしています。ご当地の美味しいものを食べながら、出島で過ごす1日を締めくくる、それも旅の醍醐味でしょう。

取材・撮影・文:井田 久恵
取材時期:2018年9月

※このページは株式会社たびゲーターが運営する旅行情報サイト「トラベルバリュー」に公開されている、2018年11月末時点の情報を掲載しています。
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