【静岡 旅行記】大井川鐵道 井川線「南アルプスあぷとライン」で巡る絶景旅

大井川鐵道 井川線「南アルプスあぷとライン」
大井川鐵道 井川線「南アルプスあぷとライン」

大井川鐵道 井川線「南アルプスあぷとライン」は、「千頭駅(せんずえき)~井川駅(※1)」を片道約1時50分・全長25.5kmの区間を運行しているトロッコ列車。自然豊かな奥大井の沿線にはトロッコ列車で、大井川の美しい渓谷を眺めながら鉄道の旅を楽しめるのが大きな魅力。また日本で唯一「アプト式電気機関車」(一部区間)で普通鉄道日本一の急勾配を登り降りするトロッコ列車として注目を集めています。大井川鐵道・蒸気機関車の終着する千頭駅から「南アルプスあぷとライン」に乗り換えて、さらに山と渓谷が連なる奥大井の秘境を巡る旅へ出かけてみませんか。(写真:大井川鐵道 井川線「南アルプスあぷとライン」)

< 目次 >

  1. 赤いボディが目を引くレトロなミニ車両
  2. 旅情あふれる 日本で唯一の「アプト式電気機関車」
  3. 一度は降りてみたい! 湖に浮かぶ秘境駅「奥大井湖上駅」
  4. 大井川鐵道 井川線「南アルプスあぷとライン」の乗車方法

赤いボディが目を引くレトロなミニ車両

大井川鐵道 井川線「南アルプスあぷとライン」車両
大井川鐵道 井川線「南アルプスあぷとライン」車両

大井川鐵道 井川線の本来の目的は、かつて大井川水系のダムや発電所を建設するために資材運搬用として敷設されたのがはじまり。井川ダム完成によりその役割を終え、今では奥大井の観光列車として「南アルプスあぷとライン」を運行しています。大井川の上流部・奥大井の山沿いを縫うように走行する沿線は、カーブの箇所が多くトンネルも小さいため小型車両を使用しています。

大井川鐵道 井川線「南アルプスあぷとライン」
大井川鐵道 井川線「南アルプスあぷとライン」展望車両

窓のない開放的な展望車両を連結して走行する時には、流れゆく険しい山間と渓谷美のパノラマ風景を堪能しながら、爽快な気分を愉しめることでしょう。

大井川鐵道 井川線「南アルプスあぷとライン」 臨場感あふれる車窓風景
大井川鐵道 井川線「南アルプスあぷとライン」 臨場感あふれる車窓風景

井川線 全線は3分の1をトンネル(61ヶ所)と橋梁(55ヶ所)が占めています。橋梁を通過する時の響き渡る轟音と臨場感はトロッコ列車ならではの体験。さらに人里離れた奥地の南アルプス山間部へと、トロッコ列車は小さいながらも力強く進んでいきます。

旅情あふれる 日本で唯一の「アプト式電気機関車」

大井川鐵道 井川線「南アルプスあぷとライン」アプト式電気機関車(ED90形)を連結して走行
大井川鐵道 井川線「南アルプスあぷとライン」アプト式電気機関車(ED90形)を連結して走行

井川線「南アルプスあぷとライン」は、坂道専用の歯車を持つ電気機関車「アプト式電気機関車(ED90形)」を連結し、線路の真ん中に敷設された鋸刃のような歯形レール(ラックレール)を噛み合わせながら、普通鉄道日本一の急勾配をゆっくりと前進する所が一番の見どころです。

日本で唯一のアプト式鉄道「アプトいちしろ駅~長島ダム駅」の1区間は90パーミルという1km進んで90mの急勾配を約15~20kmの速度で後車から押し上ます。長編成の列車では先頭車両と後端とで10mの高低差がある場合もあるとか。

アプトいちしろ駅から「長島ダム駅」へ上る時は、ディーゼル機関車・客車を後ろから押し上げる縁の下の力持ちのような存在。逆に長島ダム駅から「アプトいちしろ駅」へ下る時は、運転車両の役割と山を降りる時のブレーキ制御の役目を担っています。

大井川鐵道 井川線「南アルプスあぷとライン」車窓風景・「長島ダム」
大井川鐵道 井川線「南アルプスあぷとライン」車窓風景・「長島ダム」

急勾配の路線は開業当初からあったものではなく、接岨湖(せっそこ)を堰き止める「長島ダム」建設に伴い新たに造られた線路。元々は今の位置より低い所を走行していましたが、ダムの上端までの高さを短区間で登るために急勾配の線路に付け替えられ、アプト式鉄道が誕生したと言われています。

美しい大井川やダム湖に沿って走行するリバーフロントの区間は、車窓から大迫力な長島ダム(高さ109m・幅308m・総貯水量78,000立方メートル)の景色を一望する事ができます。電気ブレーキの音を響かせながら雄大な自然の中をゆっくりと進むシーンは、山岳鉄道ならではの楽しさを満喫できるでしょう。

走行途中は車掌が車内放送で、大井川鐵道 井川線の魅力や四季折々の美しい景観が楽しめるスポットガイドの案内も楽しみのひとつ。さらに「ひらんだ駅~奥大井湖上駅」へ向かう間のトンネル内には、壁面を活かした井川線ならではの絶景フォトギャラリーも必見です。いつの間にか大井川鐵道 井川線の景観に魅了され、季節を変えて何度でも訪れたくなるかもしれません。

大井川鐵道 井川線「南アルプスあぷとライン」アプト式電気機関車(ED90形)・アプトいちしろ駅での連結作業
大井川鐵道 井川線「南アルプスあぷとライン」アプト式電気機関車(ED90形)・アプトいちしろ駅での連結作業

急勾配のある山を登り降りするため「アプトいちしろ駅」と「長島ダム駅」では、アプト式電気機関車の連結・切り離し作業が行われます。珍しい光景を一目見ようと、多くの人がカメラを構え、連結・切り離しの瞬間を狙い撮影しています。

一度は降りてみたい! 湖に浮かぶ秘境駅「奥大井湖上駅」

大井川鐵道 井川線「南アルプスあぷとライン」車窓風景・橋梁「奥大井レインボーブリッジ」へ
大井川鐵道 井川線「南アルプスあぷとライン」車窓風景・橋梁「奥大井レインボーブリッジ」へ

「南アルプスあぷとライン」に揺られながら進む先には、接岨湖(せっそこ)に突き出た半島状の場所にひっそりと湖に浮かぶ秘境駅「奥大井湖上駅」があります。「中部の駅100選」に選ばれた絵になる風景は、寸又峡・夢の吊り橋と並ぶ人気の絶景スポットとして注目を浴びています。

大井川鐵道 井川線「南アルプスあぷとライン」と橋梁「奥大井レインボーブリッジ」
大井川鐵道 井川線「南アルプスあぷとライン」と橋梁「奥大井レインボーブリッジ」

奥大井湖上駅からダム湖に架かる美しい橋梁「奥大井レインボーブリッジ」の線路脇には、歩道が付いている構造になっています。この先の絶景・撮影スポットとして人気の展望所を多くの人が目指します。

トロッコ列車がすぐ隣を走行する瞬間は、かなりスリリング。山々にこだまする列車の走行音も臨場感あふれ、決して車では行くことのできないこの秘境の地を旅する醍醐味の一つになりそうです。

展望所・「奥大井湖上駅」と橋梁「奥大井レインボーブリッジ」
展望所・「奥大井湖上駅」と橋梁「奥大井レインボーブリッジ」

奥大井湖上駅から橋梁「奥大井レインボーブリッジ」を渡り、急な階段や山道を登りきると展望所があります(約徒歩20分)。ここからの眺めは最高で、エメラルド色の神秘的な湖と秘境駅が織り成す絶景は誰もが心奪われます。特に秋シーズンは車窓から眺める色鮮やかな紅葉風景や、山々の色彩と湖の水面に赤い橋梁「奥大井レインボーブリッジ」が映える美しい景観は必見です。

大井川鐵道 井川線の沿線は、南アルプスの懐に抱かれた静かな温泉の里でもあり、さらに環境省が認定する「澄んだ星空」(平成18年度夏期)にランクインされている「星の綺麗な町」としても知られています。たくさんの見どころが詰まった奥大井、都市生活の利便性を忘れ、非日常が体験できる秘境の魅力を感じに「南アルプスあぷとライン」の旅に出かけてみませんか。

大井川鐵道 井川線「南アルプスあぷとライン」の乗車方法

【運行区間】
「千頭駅~井川駅」
※1)2018年8月現在「閑蔵駅(かんぞうえき)~井川駅」間は、2018年5月8日に発生した土砂崩れにより、不通となっておりますのでご注意ください。

【乗車料金】
千頭駅~奥大井湖上駅までの場合:大人乗車料金は710円・小人(小学生)料金は360円。
※大人料金の半額が小人(小学生)料金です。

※本ページの内容は、取材時点の情報を元に作成しています。運行ダイヤや車内サービスなどは季節などにより異なりますので、「大井川鐵道」の公式HPサイトでご確認ください。

取材・撮影:トラベルバリュー 編集部
取材時期:2018年7月下旬
取材協力:大井川鐵道

※このページは株式会社たびゲーターが運営する旅行情報サイト「トラベルバリュー」に公開されている、2018年11月末時点の情報を掲載しています。
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