• 南まい
  • トリドリではアフィリエイト広告を利用しています

世界からモカコーヒーが消滅の危機!?コブ取りじいさんイエメン人が好きすぎて止められないものとは?

イエメン男性

アラビア半島の南西に位置する国イエメンでは、多くの男性が日常的に片方のほっぺたをぷくっと膨らませている光景を目にします。顔の形がすっかり変わっていて、なんだかコブ取りじいさんみたいにも見えますよね。

カート

ほっぺたのコブの正体は、イエメンの男性が大好物のカート。カートとはアカネ科の木の葉っぱで、噛み砕くとそのエキスで軽い神経興奮作用が得られるというもの。お隣の国のサウジアラビアでは麻薬の一種として禁じられていますが、お酒の飲めないイエメンでは合法として愛用されている唯一の嗜好品です。噛んでそのカスをどんどん片方の頬に貯めていって、それがピンポン玉の大きさくらいになった頃から効き目が現れてきます。

カートとイエメン男性

みんな昼も夜も、仕事中もカートを噛み続け、ピンポン玉どころかソフトボールくらいにまで膨らんでる人も見かけられます。お店の店員さんもボケっとしていて、仕事そっちのけでカートの世界にひたっていたりします。

カート屋に群がるイエメン男性たち

彼らの朝一番の仕事は上質なカートを手に入れることで、そこにかける情熱は半端なものではありません。早朝にカート畑で積まれたカートは、そのまますばやく街に運んで売りさばかれ、その日のうちに全てが消費されてしまいます。カートは生鮮食品で、鮮度がとても大事なのです。朝にカート屋に群がる男性たちの姿はすさまじく、バーゲンセールのおばちゃんたちのような闘争劇が毎日繰り広げられています。
近年はコーヒーの貿易で繁栄した港町モカでも、コーヒーは年に1度しか収穫できず手間がかかるし、カートのほうがすぐに現金収入に繋がるということで、コーヒー栽培を止めてカート栽培に切り替えつつあるのだそう。コーヒーはイエメンの外貨獲得の大事な輸出品ですが、美味しいイエメン産のモカコーヒーが飲めなくなってしまう日が来るかもしれませんね。

※情報は記事公開日時点のものになります。

510日間100ヶ所以上の世界遺産を周って世界一周しました! 女ひとり旅本「独女世界放浪記」(ポプラ社)を出版後、 NHK BS1「エルムンド」海外レポーターとして約70日間の世界二周目も達成! 現在は添乗員として月の半分以上を海外で過ごしています。訪問国数80カ国以上。