「バドワイザー」の発祥はチェコだった?!ビール消費量世界一のチェコとアメリカの意外な関係
世界中で最も飲み親しまれているお酒といえばビールですが、一人当たりの年間ビール消費量が世界一位の国はどこだかご存じでしょうか?
ドイツでもベルギーでもアメリカでもなく、実は中央ヨーロッパのチェコ共和国なのです。チェコの一人当たり年間ビール消費量は162リットルで、日本の大瓶に換算するとなんと255本!日本の消費量の3.3倍にあたります。水よりコーラよりビールのほうが安いというのは本当の話で、スーパーでは缶ビールが50円くらいから購入でき、どこのスーパーでもビール売り場の面積の広大さと銘柄の種類の多さには驚いてしまいます。
チェコで大人気のビール「ブドヴァイゼル・ブドヴァル」
チェコビールの中でも1、2を争う有名な銘柄が、ブドヴァイゼル・ブドヴァルです。淡い黄金色をしていて、ホップの芳醇な香りが広がります。泡が繊細できめ細かく、喉ごしは抜群!苦味だけでなく深いコクが味わえるチェコで大人気のビールです。
チェコのチェスキー・クルムロフ郊外にはブドヴァイゼルの工場があり、申し込めばガイド付きで工場見学をすることが可能です。ビールが出来るまでの過程を詳しく説明してくれて、絞りたてビールの試飲もさせてくれます。
チェコでビールと呼ばれるのは純粋に麦とホップのみで作られたもの!
ブドヴァルは地下320メートルより汲み上げた軟水と、粉末にした麦、高品質で知られるホップを使用し、厳選された原料を使ったプレミアムビールと言えます。日本のようにコーンスターチなどを混ぜ込まず、純粋に麦とホップのみを使用したものだけがチェコではビールと呼ぶことができるのです。
ブドヴァイゼルとバドワイザーの知る人ぞ知る関係性とは?
実はこのブドヴァイゼルは英語表記で“Budweiser”、つまりアメリカ合衆国のビール「バドワイザー」と一緒なのです。1876年にドイツ系アメリカ移民がアメリカでビールの製造を始め、地元欧州で有名なビールの名産地ブドヴァイスの名前を採ってバドワイザー (Budweiser) と命名。すぐに米国国内で商標登録を完了させてしまいました。怒ったチェコ側はアメリカとの間で訴訟問題にまで発展し、最終的にはアメリカ側はヨーロッパでは「Bud」(バド)「Busch」(ブッシュ)の名前で販売、逆にチェコ側はアメリカでは「Czechvar」(チェコヴァル)という名前で販売することで合意しました。すっかりアメリカビールとして定着し世界一の販売量を誇るバドワイザーは、実は発祥がチェコのビールの名産地だったのです。
アメリカ人が真似をしたくなるほど美味しいチェコの地ビール「ブドヴァル」。なかなか日本で入手することは難しいのですが、ヨーロッパに旅行したときにはぜひ飲んで、その本場の美味しさを味わってみてください!
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