一度は行ってみたい関東の世界遺産。群馬県「富岡製糸場」とは、どんなところ?
2014年に世界遺産に登録された「富岡製糸場と絹産業遺産群」。一体どんな歴史があった場所で、どのような背景で世界遺産に登録されたのか、みなさんご存じですか?
富岡製糸場とは、どんなところ?
富岡製糸場は、明治5年(1872年)に群馬県富岡市に設立された、日本で初めての官営模範器械製糸工場です。フランス人の技師が設計し、フランスの技術や設備を導入したこの工場は約115年間に渡って操業を続け、日本の製糸産業の発展に大きく貢献しました。この地が選ばれたのは、繭の原料と水に恵まれた環境だったからだといわれています。
主な建造物は、長さ約140mもあり国宝に指定されている巨大な繰糸所。今となっては当たり前の柱がない大きな空間も、当時の技術では非常に画期的で、世界最大規模ともいえる器械工場でした。そして、2階に乾燥した繭を貯蔵する東置繭所と西置繭所。こちらも国宝に指定されています。東置の1階は事務所として、西置の1階は石炭置き場として使われていたそうです。どの建物も、長い間操業していたにもかかわらず、ほぼ当時の姿のまま良好な状態で残っています。
どうして世界遺産に登録されたの?
世界遺産に登録された理由を一言で表すと『製糸産業の世界的な発展に大きく貢献したから』ではないでしょうか。先述した、世界的な規模の工場、そしてその良好な保存状態。日本の近代化において革命的な役割を果たしただけでなく、世界にも多大なる影響を残したハード面がまずとりあげられます。
もうひとつが、製糸産業を拡大させた工女の働きぶりというソフト面。こちらもフランスの労務環境を取り入れたのですが一日の労働時間は約8時間、週に一日は休み。夏と冬には各10日間の、今で言う有給休暇があり、食費や寮の家賃は製糸場が負担したとされています。このような、現在ではスタンダードともいえる労働モデルが確立されたことによって女性が働きやすい環境で大いに活躍できたことも、製糸産業の発展に深く関わっていました。
お土産におすすめ! 蚕チョコ!?
お土産におすすめなのは、富岡製糸場にちなんで作られた「蚕チョコ」です。全て手作りで本物の蚕(カイコ)に、そっくり!! ちょっと気味が悪いかもしれませんが、品切れが相次いでおり入手困難な人気商品。群馬産の桑の葉パウダーが練りこまれたチョコは、爽やかな香りと渋みが感じられて美味しいですよ。
- 開場時間
- 09:00~17:00(最終入場16:30)
- 休場日
- 年末 12月29日~31日
- 見学料(個人)
- 大人/1,000円、高校・大学生/(要学生証) 250円、小・中学生/150円
- 電話番号
- 0274-67-0075(場内総合案内所)
- アクセス
- 車:上信越自動車道 富岡IC下車約10分、電車:上信電鉄 上州富岡駅より徒歩約15分
- 駐車場
- 富岡製糸場はお車での乗り入れ不可です。普通自動車の場合は近隣の市営駐車場やコインパーキングをご利用ください。
富岡製糸場では、有料でガイドツアーや音声ガイド機の貸出も行っています。じっくりと解説を聞きながら工女たちの働きぶりに思いを馳せるのもいいですね。
東京駅からは、高崎駅経由で約1時間30分。週末のお出かけにいかがですか?
世界遺産観光部 富岡製糸場課様よりコメントをいただきました!
世界との技術交流・革新を行いながら、高品質の生糸の大量生産に貢献した富岡製糸場。2020年10月に、保存整備工事を終えた国宝「西置繭所」がグランドオープンいたしました。新たな見所が増えた富岡製糸場を、ぜひご見学ください!
HP:世界遺産・国宝「富岡製糸場」
※情報は記事公開日時点のものになります。