奈良県天川村で過ごすゆとりのひとときを。昔ながらの風情が残る「洞川温泉」
縁側に座って美味しいものを食べながら、景色を眺めてまったり……、贅沢で憧れますよね。そんなゆとりのひとときを満喫できる旅館が軒を連ねているのが、奈良県にある洞川(どろがわ)温泉です。浴衣を着て散策したくなる、古い町並みの残った風情たっぷりの温泉街です。
洞川温泉ってどんなところ?
奈良県吉野郡天川村にある洞川(どろがわ)温泉。日本百名山の一つである大峯山(おおみねさん)の登山口につながっていて標高約820mの高地にあり、奈良盆地より平均3~5℃も低い冷涼な気候から“関西の軽井沢”とも呼ばれています。
大峯山は古くから修験道の道場とされ、洞川温泉は行者や参拝者が訪れる門前町として栄えてきました。現在は温館や土産物店、食事処など純和風木造建築の建物数十件が温泉街を形成しており、レトロな雰囲気が漂っています。いくつかの旅館には、行者が座って足を水で洗っていたときの名残と言われる縁側があり、ぶらぶらとするだけで往時へタイムスリップしたような気分が味わえます。
夜にはあちこちで提灯が灯り、昼間とはまた違った景色を見せてくれます。行者が疲労回復のために入ったという温泉で体を癒やしたら、浴衣に着替えて温泉街に繰り出すもよし、縁側でゆっくり過ごしてみるのもいいですね。
洞川湧水群、名水仕込みの“ごまどうふ”をいただこう
洞川地区には、太古の地殻変動により生まれた洞川湧水群が広がっています。日本名水百選にも選ばれた清冽(せいれつ)な湧き水を引いているので美味しい水が簡単に飲めます。この水を使った“ごまどうふ”は洞川温泉の名物のひとつで、あっさりとした味わいが特徴的でプルンプルンの食感と、美味しい水で仕込まれたみずみずしさが楽しめます。温泉街を歩いて小腹が空いたら、ぜひ味わってみてくださいね。
芸能の神を祀(まつ)る天河大弁財天社
洞川温泉周辺を観光するなら訪れたいのが、天河大弁財天社です。ご祭神の市杵島姫命(いちきしまひめのみこと)は音楽・芸術・芸能の神である弁財天としても信仰されているため、芸能界からの参拝客も多いと言われています。
見どころは天河大弁財天に古来より伝わる独自の神器「五十鈴(いすず)」です。日本神話において天照大神が天岩屋戸にこもった際、天岩屋戸の前で天宇受売命(あめのうずめのみこと)が舞を舞いながら使用した神代鈴と同じものとされています。三つの球形の鈴が三角形に連なった独特な形をしてうて、この鈴の鳴る音を聞くと「心身は深く清められ、魂が調和し本来あるべき状態に戻り、新たな活力が湧いてくる」と言われています。本殿を参拝したら鳴らしてみてくださいね。
洞川温泉へのアクセスは?
電車の場合は、近鉄下市口駅まで行き奈良交通バス洞川温泉行きで終点の洞川温泉まで。所要時間は約80分です。
車の場合は、大阪市内から南阪奈道路終点葛城IC・高田バイパス経由で約2時間、京都・奈良方面から京奈和自動車道橿原バイパス経由で約2時間です。
縁側や温泉でのんびり過ごしたり、パワースポットでご利益にあずかったりと、いろいろ楽しめる洞川温泉。レトロな街並みを歩くだけでもリラックスした気分に浸れます。温泉地を探している方は、ぜひ訪れてみてくださいね。
この記事は2018年5月14日に公開されたものを編集したものです。
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