北海道 上士幌町の幻の橋「タウシュベツ川橋梁」を見に行こう!

大雪山国立公園の東山麓、十勝平野の北端という場所に位置する上士幌町の幻の橋「タウシュベツ川橋梁」。季節ごとに姿を変えるフォトジェニックな場所として注目を集めています。

糠平湖にかかる幻の橋「タウシュベツ川橋梁」

タウシュベツ川橋梁
タウシュベツ川橋梁

上士幌町のダム湖、糠平湖にある「タウシュベツ川橋梁」は、1937年に完成した長さ約130mのコンクリート製のアーチ橋です。農産物や木材を運搬する役割を担うため、旧国鉄の士幌線として利用されていましたが、1987年に廃線となりました。
旧士幌線沿線では、ほかにもアーチ橋がありますが、タウシュベツ川橋梁は季節によって糠平湖の水位が変わるので、その姿が見え隠れすることから“幻の橋”と呼ばれています。

季節ごとに姿を変える「タウシュベツ川橋梁」

観光シーズンを迎える春

タウシュベツ川橋梁
タウシュベツ川橋梁

冬季の糠平湖は凍結しており、凍った湖が冬から春にかけて溶けていくと、徐々に湖底が露出していきます。湖底を歩けるくらいになると、観光シーズンです。
まるで古代遺跡のようなアーチ橋と、辺りにそびえるニペソツ山やウペペサンケ山の織り成す景色は、どこか遠い国に訪れたような雰囲気です。

湖面にアーチが映るメガネ橋が見られる6月

タウシュベツ川橋梁
タウシュベツ川橋梁
撮影:BUD International

6月には水位が増えてきて、たっぷりと水をたたえた湖面にアーチ橋が映ります。タウシュベツ川橋梁のより美しい姿を目にできるおすすめの季節です。湖面に映ったアーチ橋がまるでメガネのように見えるため、“メガネ橋”と呼ばれています。

秋から冬にかけては水没する

タウシュベツ川橋梁
タウシュベツ川橋梁

“メガネ橋”が見られる糠平湖は、秋にかけてどんどん水位を増していき、タウシュベツ川橋梁は完全に沈んでいきます。それから冬にかけては、橋は姿を見せません。

水位が上がらない年も雰囲気がいい

タウシュベツ川橋梁
タウシュベツ川橋梁

ただし、その年によっては水位の上昇にバラつきがあり、近年では8月まで水位が上がらない年が続いています。水位が上がるのが遅いとその分草が茂ってきて、その雰囲気も素敵です。

タウシュベツ川橋梁

「タウシュベツ川橋梁」の見学にはツアーがおすすめ

タウシュベツ川橋梁 線路跡
タウシュベツ川橋梁 線路跡
撮影:BUD International

タウシュベツ川橋梁は、国道273線沿いの展望広場からその姿を眺められます。もっと間近で見学したい場合には、東大雪支署に事前に申請して許可を受け、林道の鍵を借用し入林する必要があります。
手配を自分で進めるのが面倒に感じる方は、ツアーがおすすめです。風の穏やかな早朝に出かける「早朝ツアー」や、日中に旧国鉄士幌線沿線の駅や橋も併せてめぐるツアーもあります。周辺はヒグマの生息域でもあるので、その面から言ってもツアーがおすすめです。

NPOひがし大雪自然ガイドセンター

訪れる時期によって違う景色を楽しめる「タウシュベツ川橋梁」。季節ごとの美しい姿を見に行ってみてくださいね。

この記事は2017年5月31日に公開されたものを編集したものです。

※情報は記事公開日時点のものになります。